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ただの読書日記です。
05 . May
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28 . May

家にある父の本を漁っていたところ、映画化された「天使の牙」を発見したので読みました。
本当は昨日呼んだんですが、夜更かしして呼んだため書く気になりませんでした…。
とりあえず「新宿鮫シリーズ」もあることですしストックはしばらくある!
ということで、本題です。

「天使の牙」上・下 大沢在昌
97年にカッパ・ノベルスとして刊行したものを平成十年に角川文庫として出版したようですね。
文庫本バージョンです。

あらすじ(上)
覚醒剤に替わり、日本全土を脅かす新型麻薬アフター・バーナー。その元締<クライン>を牛耳る独裁者君国辰郎の愛人神埼はつみが逃亡した。はつみは組織内部の事を知りつくしていた。そのはつみが警察に保護を求めてきたのだ。連絡を受けた保安二課長・芦田は、<クライン>壊滅の切り札として護衛・移送をすることを決める。この極秘指令を受けた男まさりの女刑事明日香は、はつみとホテルで接触するが、ヘリからの銃撃を受け二人は瀕死の重体に。だが、奇跡は起こった――!

あらすじ(下)
犯罪組織<クライン>の独裁者君国の愛人はつみの身体と女刑事明日香の精神を持つアスカは、己だけを信じて決死の囮を演じていた。組織は警察内部の通報者を使い、次々と殺戮の罠を仕掛けてくる。アスカを守るのは、明日香の元恋人・仁王こと古芳ひとり。だが、古芳はアスカの精神が明日香であることを知らない。一方、アスカは古芳が組織の内通者である疑いを捨てきれない。不協和音が生じた二人にさらなる刺客が……!

てな感じですね。
続きは感想になりますが、ネタバレしまくり注意。



明日香とはつみが出会い、襲撃されアスカになるまでが早いですね、結構。
でもあの指輪はよかった!よかった!ナイス!
冒頭や明日香との会話ではつみの人間性をうかがうことができるのですが、
私的にはもう少しはつみを知ってみたかったです。
ただ氷の星というのはかなり良かった気がします。そういう表現大好きです。
さて話が大きくそれますが、個人的には最守と神と薗部が好きですね。
もちろん仁王こと古芳もすきですが、
そこはアスカとの微妙な関係がやきもきしました。
おいいいい!そいつははつみじゃなくて明日香だぞ!みたいな。
また金村の奥さんが殺されたことについてはかなりびっくりしましたが、良い展開だと思います。
あそこで身内の誰かが死なないのはあまりに残酷ですし、
敵ばかり死んでいって(最守もまた然り)、見方には課長のように重傷を負った者はいるものの死者はいないというのはちょっと気に入らないたちでして。
ただ妊婦を殺されるというのは悲しかったですが、
最後に神が墓穴を掘ってくれたことと羽佐間の良心が窺えたことが嬉しかったです。
ナイス、二人とも!
結局、金村は死んでしまったんでしょうね。それもまたいい展開でしょう。
そして最後の「努力する」という仁王の台詞は格好よかった。
「善処する」でも全然かまわなかったけどね!
幸せにしてくれるかというアスカの問いに、ただ肯定するではなく、
「努力する」というしかし自信に満ちた言葉がよかった。

影の主人公とでもいうべき君村でしたが、どこまでも孤独で、なおかつ沢山の人に囲まれた男だったようですね。
ただひとつ言いたいことがあるとすれば、もう少し君国が母親を殺すシーンを書いてほしかったなあ、と思います。眠気眼で読んでたんですが。
アスカが密かに君国を祈ってやっていればいいな、と思います。

面白かったです。寝る時間さえも惜しんで読む価値はありました。
よみごたえたっぷりです。スパイは誰か?「刀」は誰か?など考えさせられる部分がたくさんあります。
時間に余裕があるときぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。

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